'25年4月18日 物語の始まり
預かっていた鍵を鍵穴へ差して右へ回す。
カチャリと音がすると同時に、古びた木製のドアはドアノブを回さなくてもひとりでに開いた。
「こんにちは、お邪魔します」
誰も居ないのはわかっていたけれど声を掛けながら玄関を上がる。
電気の消えたリビングへ入ると奥の和室に明かりが灯っていた。
消し忘れかな。
そう思い和室へ入ると目の前の箪笥の上には懐かしい写真。
出会った頃よりも前の、少しふっくらした柔らかい笑顔が私を見つめる。
そうだ。
食器棚から一番綺麗なコーヒーカップを取り出し、持っていたペットボトルの緑茶を注いで写真の前に置く。
お久しぶりですね。
手を合わせ心の中で話しかける。
あれからもう5年も経つんですね。
懐かしい日々と優しい笑顔を思い出す。
* * * * * * * * * * * * *
人生で一番の恩人との物語の始まり。
続きはまた次の機会に。
4/18/2025, 1:24:53 PM