花咲いて
君はまるで桜のようだ。
昨年の葉桜は君の生まれ変わりのようだった。
一昨年だったな、君が僕を花見に誘ってくれたのは。
「来年も一緒に、この公園で。」そう遺して君は居なくなった。
世の中に絶えて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし
僕はこの歌が好きだった。
でも君はこう言った。
「花が咲いて散る。私たちはこの当たり前さに惹かれるの。この世に長く続くものなんてない。花は散り際が最も美しい。」
そんな訳ないだろう。
僕は君の散り際なんて思い出したくもない。
君との思い出だけを想っていたい。
だって君の散り際を忘れられる訳がないから。
7/24/2024, 5:55:48 AM