「『砂の器』でカメダと間違われたのはカマタね!
犯人を捕まえるための道具はさすまたね!
『私というものがありながら』な昼ドラ展開は、そう、ふたまたね!
……っていう抜け道は、いくつか探したんだわ」
シャチの別名は「さかまた」らしい。某所在住物書きは「またで終わる言葉」を検索して、スワイプして、ぽつり、ぽつり。
他にも「猫又」、「あまた」、「オートマタ」。
探して結局、投稿は「またね」に落ち着いた。
ふたまたで物語を投稿など、泥々展開しか考えつかないが実際どうなるものか。
「過去のお題では『また明日』とか、『また会いましょう』とかなら、書いたけどな」
全選択、コピー、貼り付け。下書きを「書く習慣」に投稿して、広告は強制終了。
次のお題投稿まで、またね、またね。
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最近最近のおはなしです。
「ここ」ではないどこか別の世界に、「世界線管理局」という厨二ふぁんたじー組織がありまして、
そこではたとえば、滅んだ世界からこぼれ落ちたチートアイテムが別の世界で悪さをしないように、回収して適切に保管したり、
あるいは、光と自然のゆたかな世界から、悪しき異世界人が資源を根こそぎ奪ってしまわぬように、異世界間の密航を取り締まったり。
色々、あれこれ、「その世界の独立性・独自性」のために、仕事をしておったのでした。
あっちの世界に密航者です。
はい、確保しに行きましょう。
そっちの世界が異世界から侵略を受けています。
はい、ただちに急行しましょう。
こっちの世界から渡航申請、
向こうの世界から観光用渡航ゲートの設置報告。
はい、はい。こちらへどうぞ。
書類を書いて、説明受けて、はい以上。またね!
世界線管理局はその世界が、その世界として在り続けられるように、他の世界から不当な侵略・過開発・植民地化を受けないように。
「その世界の独立性・独自性」のために、仕事をしておったのでした。
そんな世界線管理局には、
あんな異世界アイテム、こんな異世界アイテム。
色々、どこそこ、活用されておりまして。
「わぁ、これは、良いよ、いいよぉ……!」
その日、管理局の異世界アイテム管理部門、「収蔵部」に収容されてきたのは、
あらゆる食べ残しを原子レベルまで分解して、そこから窒素と酸素、水素と炭素を取り出し、
それらによって食料の冷蔵も冷凍も加熱もできる、空間書き換え式のコンパクトキッチン。
これを開発したのは、デジタルとネットと科学に技術が全振り、一点突破された世界。
あらゆるものを電力に変換して、近隣の星々も電力に変換して、結果、大規模な真空崩壊を発生させて自滅した世界でした。
「収蔵庫に設置すれば、勤務中にアフタヌーンできるし、お夜食も作り置きできちゃうよぉ!
よぉーし、今こそ、あたしが復活させてみせる、
数年前に無くなっちゃった、『隠しキッチン』!
管理局の『欠けちゃった七不思議』を!あたしが!欠ける前の七不思議に!戻してみせるぅー!」
ふんふんふん、ふんふんふん!
管理局の収蔵部スタッフさん、なにやら嬉しそうな、食いしん坊そうな笑顔をして、
その日収容されてきたばっかりの、滅んでしまった異世界産コンパクトキッチンを、ポンポン。
収蔵庫の隠しストレージに収容して、ちゃんと鍵もかけまして、一時的にばいばい、バイバイ。
またね! 仕事が終わったあとで、ちゃんとしたスペースに設置してあげるね!
なんて心の内で言って、仕事に戻ります。
「欠けちゃった七不思議」とは、何でしょう?
管理局内で今も広まっている、噂話です。
「隠しキッチン」とは、何でしょう?
昔々、だいたい数年くらい前、それを管理局の法務部の、あっちこっちにこっそり隠して展開しておった、特殊即応部門長がおったのです。
彼が亡くなって数ヶ月で、隠しキッチンはすべて摘発されてしまい、
今となっては、隠し冷蔵庫だけが、特殊即応部門長の遺品というか、置き土産というか、
そういうものに、なってしまったのです。
「またね! 待っててねぇ!」
ふんふんふん、ふんふんふん!
管理局の収蔵部スタッフさん、その部門長と会ったこと、ありません。
だけどその部門長が、残していった隠し冷蔵庫を、こっそり受け継いで使っておるのです。
今こそ、隠し冷蔵庫だけでなく、隠しキッチンも復活させるとき!スタッフさんは決意したのです。
隠しキッチンと隠し冷蔵庫をこっそり局内に展開していた、「特殊即応部門長」のおはなし?
それをご紹介するかどうかは、今後、配信されるお題次第。またね、またね。
4/1/2025, 6:54:46 AM