目を閉じたあとの時間を、愛している
夢というものは、記憶の整理をしているとか抑圧していた願望だとか色々言われている。そんな科学的な理由やスピリチュアルな分野はよく分からないから自分が信じたいものを信じたらいいと思う。
だから私は、夢とは常識外れの物語だ、と信じている。
お前のせいだと睨んでくる親友もフレンドリーな人喰いの化け物も、全てが現実とは違う常識の中で生きているのがたまらなく面白い。
平素では考えつかない幸福な時間や考えたくもない酷い状況をポンポンと生み出しては、その中で当たり前のように過ごす自分や自分ではない誰かの視点をぐるぐると巡る。
現実に限りなく近くて遠い私だけの物語。
最近見た中でちょっと後味がうわぁってなったものをご紹介。
小6のときに使っていた教室に小学校から高校までの印象深いクラスメイトが集まっていた。特に仲良くもないメンバーでかなり居心地は悪いが、廊下側の一番後ろの席だったからまだ耐えられた。
本来私の席の後ろには掃除ロッカーが置かれているのだが、なぜか縦長の水槽が置かれていた。3分の2くらいまで水が入っていて、水面スレスレに餌入れのトレーが固定されており中身は空っぽ。前面にのみスライド式の開け口と空気孔があるだけで他に開けられるところはない。
そんな不便でしかない水槽の中には人型の何かがいて、頭だけ水面から出して、手足で常に水を掻いてプカプカと僅かに浮き沈みを繰り返している。目も口も黒い点のような空洞で落ち武者のようなザンバラハゲの気持ち悪い見た目だった。
みんな何も言わないし気にもしていない。私だけがそいつが立てる水音と視線を煩わしく思っている。
4限目が残り半分で終わるという頃になって、そいつはいきなり開け口を自力で開けて、ほぼ皮と骨だけの腕を伸ばしブンブンと振り回しはじめた。無視していたら次は餌入れのトレーを掴んで外に手を出し、教卓まで届くんじゃないかってくらいまで腕を伸ばして生徒の頭上でブンブンとトレーを振り回した。
もうこの時点で気持ち悪さが天元突破して逃げ出そうと思ったのだが、奴は私の真後ろにいてまだもう片手は自由に動かせると考えると動くのも怖い。
こっそり隣の子に、どうにかしてよ、と頼んでみたがゴミをみる目ではあ?と言われたのでそれ以上何も言わなかった。カースト上位だかなんだか知らんがその面引っ叩くぞと思ったけど我慢した。
そのうち人型ハゲはトレーを天井にぶつけてうるさくし始めたのに誰も何も言わない。私はイラつきを抑えきれなくなって、静かにしろやハゲ、と叫んでしまった。ハゲは腕を戻して静かになった。相変わらず私を見つめているのが気持ち悪いが授業中だからと大人しく席に座り直したら教師に、いきなり大声を出すな授業の邪魔だ、と叱られた。
何言ってんだこのクソ教師、と怒りが再燃したところで目が覚めた。
なんというか、昔から教師に嫌われまくって目の敵にされていたことを思い出させる夢だった。あのハゲは何だったのかは謎だが悪いやつではない気がする。見た目はかなりホラーだったから生理的に受け付けられないけどね。
ほぼ明晰夢だったから覚えていられただけで実際はもっと長く夢を見ていた気がする。今回はこんなだったけど楽しいものもあるから、また夢を見たいし、これからも夢を見ていたい。
書いたあとに思い出した。
小学校基準の4限目だからこのあとは給食の時間だった。
誰も反応しないのに自分だけは気になって仕方がない感覚、特に4限目ならではの焦燥感と楽しみ。
あのハゲはもしかして、腹の虫?
【題:夢を見てたい】
1/13/2026, 11:14:14 AM