喫猫愛好家

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飲み会も佳境に入り、各々のテーブルで酒に飲まれた人が続出しだした。僕の横には同期の女の子。彼女もどうやら相当酔っているらしく、常に口角が上がっている。ふと僕の視線に気づくと、太陽のような笑顔で彼女は言った。「さんじゅうまでおたがいふりーだったら結婚しよ?」
また、この光景か。目を覚まし、スマホで時間と日付を確認する。僕は30の誕生日を1人で迎えた。ここ最近あの日の夢ばかり見る。先週彼女の結婚式に呼ばれたこともあるのだろうか。彼女のために開けておいた特等席だったはずの席は今でも尚空席だ。あの日あんなことを言って、勝手に僕の心に居場所を作ったくせに。
カーテンを開けると朝日がまぶしい。太陽のような笑顔から溢れた戯言も少し期待してた愚かな自分もこの光が包んでまっさらにしてくれたらいいのに。

2/22/2024, 11:32:15 AM