僕らには合言葉があった。
親にバレないように、窓を叩く一つの秘密。
3254。 音を切りながらそうやって叩くのが僕らの合図だった。
なんでこれなのかは彼女は教えてくれなかったけど。
いつもこれが二人の合図だった。
音だけの合言葉。
昔は僕と彼女は仲が悪かった。
僕が意地悪だったのもあったけど。
だけど、ある日。
彼女は合図に答えなかった。
僕は昨日無視したことを怒ってるのかなとその日は寝た。
死んでいたらしい。
強盗に入られたって、彼女の部屋の窓から入ったらしい。
彼女は男の人に酷い状態にされて見つかったらしい。
あの日を思い出すと、久しぶりに彼女から呼びかけがあった。
いつもの愛言葉。
勉強に忙しいからと無視をしてしまった愛言葉。
僕があの時会っていれば何か変わったのかもしれない。
10/27/2023, 2:35:55 AM