涙の理由
つねられたら痛い。痛ければ涙は出るかもしれない。目を開いたまましばらく時間をおけば涙は出る。あるいは硫化アミル。玉ねぎを切れば硫化アミルが涙をもたらす。小さなゴミでも目に入れば涙が出る。
そもそもそれなりの刺激があれば人間は涙を流すのだ。「物理以外の刺激」といったら精神的神経的なものなのだろう。解析は私にはお手上げだ。我らが主は夕方帰ってきてからいま、深夜にいたるまでずっと泣いている。
「レディ、泣きたければ泣いてもいいですが、目が腫れます。あとで冷やしましょう」
先輩アンドロイドが対処している。あのように対処できるようになりたい。涙の理由などとりあえずは問題ではないと学んだつもりだが、どれだけ正しいかはまだ学ばねばならない。と考えていたら先輩アンドロイドが「この場合は涙の理由をまだ聞くべきではない」と連絡してきた。まだまだ本当に学ぶべきことが多い。
10/10/2024, 10:59:44 AM