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心の境界線



 心には様々な境界線がある。楽しいと苦しいの境目、うれしいときもちわるいの境目、悲しいと悔しいの境目。
 でも私の中には美味しいとそれ以外の境目がなかった。 どんなに苦しくても美味しいものは美味しいままだし、不味いものは不味いままだ。
 それが不思議で吐くまで食べ続けるのが一種のルーティンみたいになっていた。
 でもそうなのは小さい頃だけだよね。
 美味しいはいつか作業になる。これから動くための準備動作に過ぎなくなる。美味しいと面倒くさいの境目はここにあったのだと、初めて気づく。美味しいの領域は色んなとこに伸びて、もはや純粋なところなんて一つもないのだ。

11/9/2025, 3:19:04 PM