コハク

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静寂に包まれた部屋

「わかってる、言われなくても大丈夫、そしたらもう切るよ、はいはい」

ガチャと鍵を回し見慣れた暗い部屋呑み込まれる。
不便なもので灯りを着けるには暗闇の奥深くまで足を伸ばさないとならない。
先程まで電話をしていたせいか、暗闇の部屋が妙に静かに感じる。

朝起きて、支度をして、家を出れば、辺りには色んな音が耳をくすぐる。昼間は下らない雑談などして賑やかに過ごす。夜、帰路につけば虫の音や様々な機械音が帰り道のBGMになる。
そして、家に帰ると誰も居るはずのない静寂に包まれた部屋で一人朝を待つ。

たまに思う、いつもより静かな部屋で、時間がゆっくり感じる。きっとそれは自分が寂しいと感じているからなのかもしれない。そんな事を思いながら灯りを着け、スマホをまた取り出した。

9/29/2023, 10:59:03 AM