山百合

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・4『奇跡をもう一度』

俺は怖くなって家を飛び出した。
実際にはゆっくり、なにも見てないかのように、コンビニに行くように平静を装って玄関を出た。
しらない女はこちらを見ていない。

本当にコンビニに入った。おかしいと、思い返すと夕方だったはずだコンビニの時計を見るとさっき帰宅した時間くらいだった。
部屋で寝ていた時間はなんだったんだろう。
あのしらない女は誰なんだろう。

しばらく考え、やはり家に帰ることにした。
今度も誰もいなかった。
そう、母親と猫はもうこの世にいないんだった。
それを思い出した。

【続く】

10/3/2024, 3:35:50 AM