【安心と不安】
気が付けば息苦しく暗い道に居た。
長く長く、終わりが無いように見えるトンネル。
この道を自分は進まねばならない。
何故って、後ろを振り返ればトンネルが閉じられていくのが見えるからだ!
呑まれてしまえば何もかも終わるのだろう。
だからひたすら進む。
前へ、前へ…!
心臓がドキドキする。
気を緩めば呑まれて終わってしまうかもしれない恐ろしさと、
この先に何か開けた場所があるかも知れない希望が入り混じり
僕の胸を締め付ける。
前へ、前へ…!
不安から逃れるように、
不安に吞み込まれないように。
前へ、前へ…!
次の瞬間だった。
あまりにも眩しすぎる光に目を閉じた僕は、
思い切り息を吸い、そして吐いた。
何が起こったのだろうか。
その時は理解できなかったが、耳からはこんな言葉が聞こえた。
「無事に生まれましたよ、元気な男の子です!
おめでとうございます!」
くすぐったい温かさをもったその言葉に僕は安心した。
1/25/2026, 12:34:19 PM