<登場人物>
カナエ:高校生女子。
アイザワ:大学生男子、カナエの家庭教師。
「お邪魔しまーす。こんばんは〜カナエさん、さっそくだけど今日は……ん? それは、英作文かな?」
「うん、そんな感じ。『My Heart』っていうお題でね、考えてたの」
「お題? 宿題ってこと? どれどれ、
"Don't forget that my heart is always with you."
"I love you with all my heart."
……うん、ちゃんと書けてるね」
「そりゃそうだよ、だってこれコピペだもん」
「っ、コピペって、」
「悩んでるのはね、訳のほう」
「そうなんだ。んーでも、カナエさんレベルなら、そんな難しくはなさそうなんだけど」
「そんなことない」
サラサラサラ…(シャーペンを走らせる音)
「……うん。よし、書けた。じゃあ先生、ちょっと読んでみて?」
「え? あっはい、えーと…"忘れんなよ、俺の心はいつだって、お前と共にあるんだ"……なんか、翻訳がアツいね?」
「んー。もうちょっと、心を込めてくれると……」
「え? 心を?」
「うん。じゃあ心を込めて、こっちも読んでみて」
「……"俺はお前を、心の底から愛してる"」
「……グ、フッ。アイザワ先生、すっごくいい」
「っっ?! えーと、それって……え?」
(アイザワ’s heart)
──ま、まさかっ?
カナエちゃん、俺のことが好きなのかっ……?
(カナエ’s heart)
──やっぱり。思ってた通り、先生は「受け」。
ここぞって時に、こういうセリフを「攻め」にサラッと言っちゃう系の、天然入った「受け」だよね、グフッ、グフフフフ……。
「あ、そうそう! この前、先生とばったり会ったときに先生と一緒にいた人、お友だちですか?」
「えっ? あー、うん。アイツは同じサークルの、キシダっていうんだけど……」
(アイザワ’s heart)
──ま、まさか?
あの一瞬でカナエちゃん、キシダ狙いかよ?
……なーんだ、そっか。
まぁアイツの顔面、なかなかだもんなー……ハァ。
(カナエ’s heart)
──キシダ、さん。
キシダ×アイザワ……グフッ。
3/28/2026, 2:46:54 AM