今日は、雨が降っていた。
だから、走っていた、そう思われたはず。
だから、気づかれてない、大丈夫。
ちょっとだけ、俯くだけだから、大丈夫。
時間が経てば大丈夫。
今だけだから、この感情も。
雨のせいか、この寒さも。
「大丈夫?」
ハンカチを差し出す手。
「今日は、雨が、ひどいね。」
「よかったらどうぞ。」
突然のことに何も言えない僕に、
「ここね、使われてないバス停だから、誰もこないよ。」
「だから、2人だけの秘密ね。」
全て、見透かされたような、暖かい顔で微笑む女性が囁いた。
5/3/2026, 10:35:53 AM