僕は知っている。
君が昔から読書が好きだったことを。
家族が寝静まった夜、そっと起き出して、天窓から覗く月の光で本を読み続けたことを。
そのせいで夜目は効くようになったけれど、目を悪くしたこともね。
何故知っているのかって?
だって僕は、君を照らしていた月だからだよ。
君が本の世界に没頭して、現実を忘れたいと思っていたことも、君の家の事情も、全部知っているんだ。
時々は夜空を見上げて、僕のことを思い出して欲しいな。大人になった君は俯いて、地面ばかり見ているからね。
【君を照らす月】
11/16/2025, 12:33:28 PM