よく空の写真を撮っていた
澄んだ青に浮かぶ白い雲が爽やかで
そのコントラストに堪らなく惹かれてシャッターを切った
若さをだいぶ使い果たした頃から
夕焼け空に向かってシャッターを切るようになった
茜色から紺碧へと向かうグラデーションが壮大に美しく
そんな空色を反映した雲の影と
薄暗闇に浮かぶ家々の温かい灯火がドラマチックで
朝焼けも夜空も素晴らしいけれど
今に至るまで心惹かれるのはやはり黄昏時の夕空だ
なんともいえないノスタルジックな気持ちを起こさせる
何かを投影しているとするならば人生か
子ども時代を朝焼け空
思春期は澄んだ青空に様々な天候をもたらす
そして働き盛りから人生の中盤を過ぎた頃が夕空だ
きっとその後は静謐な夜空で締めくくるのだろう
今も時折、夕空の写真を撮る
撮り始めた頃よりは暗いグラデーションが多くなった
全く同じ夕空がないのと同じで日々の私も変わっていく
空を眺めるのと同じように自分と向き合って
いつかくる静謐な夜空の時間を迎えたい
*空模様**
8/19/2024, 12:13:36 PM