「こんばんは」
あの日がきっかけだった。
僕は愛された記憶がほとんどなかった。
僕がどう生きたらいいのか分からなくなったあの日の夕方、外を歩いて心を落ち着かせようと考えていた。空や海をみるとどこか切なくなり、波の音がより一層聞こえてきた。
「このままぼーっとしてたら消えないかな」
そんな時、ひとつの足音が近づいてきた。
「こんばんは」
はっと我に返った。どのくらいの時間が過ぎただろうか?少し空が暗くなってきていた。
「...こんばんは」
自分の中で何かわからない感情が交差した。この感情はなんだろう。
「大丈夫、ですか?」
心配そうに見える瞳、小柄でも大人っぽい服を着ている。
「大丈夫ですよ」
考えとは違い、口が動いた。本当は誰かと話したい。
「暗くなってきてるので、風邪ひかないようにしてくださいね」
そう言われ、気づいたら彼女はいなくなっていた。
あぁ、連絡先でも聞いておけばよかった。このまま帰っても何も出来なそう。
そういえば、どこかで見たことがあるような顔をしていたような。だめだ、さっきまで隣にいたのに顔を思い出せない。
今日はこのまま帰ることにした。
家に着いて寝る頃
「あっ...」
思い出した頃には、涙が止まらなくなっていた。
大好きな君へ
またいつか逢いたいです
3/4/2026, 12:37:48 PM