記憶の地図――
今の世の中スマートフォンやパソコンさえ持っていれば、GPS機能とエリアマップを閲覧する事など容易い。だが、結局のところ目的地が分からなければ意味が無いわけで、そこまでのルートが朧気ながらに記憶していたとしても曖昧な道標など掠れて読めもしない。
手っ取り早いのは……そう、あの場所までの微かな記憶の地図を頼りに風景と照らし合わせて歩いてみること。自分の記憶というものは皮肉な事にどんな些細な事も覚えている。一つの木、一軒の建物、正確でなくとも大まかに覚えているのだ。
6/16/2025, 2:59:33 PM