12/25
電車の窓に流れる景色が眩しかった。
気付けばMerry Christmas の文字がひかっている、忌々しくも思えるほどに。
そういえば今年もクリスマスがやってきたらしい。
はぁ、憂鬱だ。今年は妻子と過ごす予定だったのだが…
今日は上司の機嫌が悪く残業、電話がかかってきたなぁと思ったら妻の帰りは遅くなるそうだ。
子が可哀想になる…
そういえば昨日のお惣菜の残りは食べ終わったっけほうれん草のおひたし、意外と不評で残ってた気がしなくもないような…
どうでもいいことが頭をよぎる。逃げたい、現実から。全人類の悩みではないだろうか?
アオストラロピテクスだってアファレンシスだって動きたくないことはあっただろう。
そろそろいつもの駅が見えてきた。
電車から降りても異世界に降り立ったりすることはなかった。いつも通りの駅だ。
「パパぁ~!」
?なんだか子どもの幻聴が聞こえた気がする…つかれているのだろうか?
「お帰りなさい!」
妻の声までも…もう末期か…
「ちょっと早く帰れたんです!どうせなら保育園までよって帰ろうかと…て大丈夫ですか!?」
どうやら意識を失いかけていたらしい。
とても嬉しかったのだろう。
今年のクリスマスのおもいでだった!
12/24/2022, 11:51:55 PM