パイン

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気がついたときには落とし穴の中にいたのです。

大きな数が持ち上げるどまんなかに居させられようと、でっち上げたものもイメージもなし、崩れるものなどなかったはずが、天秤に掛けられていたのは日常とからだの平穏か何かで、いつどこの誰になんの為にそんなはかりに乗せられたかも知らされず、もう一週間も立たないうちに私のもつ分だけが先にぽんと奪われ、それはもう、日常のすべてはエンターテイメントか出し物か、崩壊したダムのようにダダ漏れになっていったのでした。

あのときにあったのだろう、かの天秤の反対側には、どこの誰の何が乗っていたのかを私は、どのようにしてその後の数年に渡り、知ることとなったでしょうか。

4/14/2024, 12:33:30 PM