あの時まで君は確かに私の弟分だった。
「好きです」
その言葉が君の口から解き放たれるまでは。
そこからの関係性は歪な形になった。
少なくとも君を憎からず思っていた私にとってその言葉は呪いだ。
「……何を考えていらっしゃるんです?」
「ッ、な、にも」
薄ら寒いこの部屋に、互いの剥き出しの素肌はあまりにも熱すぎる。
君からの口吸いも君からの愛撫も何もかも私は知らない。
一体どこで覚えたんだそんな手練手管は。
君の全てを知っているつもりでいたのに、嗚呼まだまだ私は君のことを知らない。
「随分余裕ですね」
否定しようとした唇は直ぐに塞がれることになる。
1/31/2025, 2:32:29 AM