静かの海

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2時間目の授業が終わった。

消されていく黒板の白線を眺めながら、何かが弾けた気がした。

人気のない校門を潜り、朝来たはずの駅へ戻った。
いつもと違うホーム。
有名な名前の温泉へ、線路が伸びている。

意外と公共交通機関だけで行けるんだぜ、と教えてくれたのは誰だっただろうか。

ふとその声を思い出して、来た電車に乗った。

色とりどりの服の中で、制服の自分は浮いているようだった。
どういう顔をしていればいいのか分からない。
流れていく風景は、全然違う世界みたいだった。

4時間目のチャイムがなる頃。
そこらで見つけた足湯に足を浸す。人気が少ない。
じんわり、温かさがのぼってくる。

逃げてばかりもいられないと分かっている。
分かっているけど、そう実感するほどにどうしようもなく胸がふさがる。

思考がするする、ほどけていく。
たまにはいいか。その台詞を呟くのだって1回目じゃない。
いつもと違うことをしてみてパッと解決、なんて訳にはいかないんだろう。

それでも生きるしかないんだ。
だから。

今だけは、自分のために。

2/27/2024, 1:47:44 PM