雨天に追われ屋根の下埃で汚れたバス停の案内板所々に穴の空いた頼りないトタン屋根もう何年も広告が変わらぬ薄い壁少し背の傾いた弱々しいブリキのベンチ雨を飲み続けるひび割れたアスファルトの道バスの待合所の裏では竹林の葉が雨に唄うここは誰かの遠い記憶の中バスは届け先を決めあぐね、来る事もない記憶の主は雨と草の音に閉じこもり頻りに懐かしさをしげしげと眺めては空ではなく、気分が晴れる事を待っていた。ー 雨に佇む ー
8/27/2024, 9:58:27 PM