YUYA

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「火種」


ただ 生きているだけの毎日が
ひどく 静かで
どこか 濡れている気がした

飯を食い
寝て 起きて
働いて また 眠る

誰もがそうして生きている
けれど
どこかで 小さな声がした
「ほんとうに これだけか?」

その声に
名はない
色もない
けれど 奥の方で ずっと燃えている

退屈は 怠けではない
それは
燃やせる薪を探している証

「ただの火」ではない
「灯す火」
誰かの闇を そっと照らす
小さな 人間の火種だ

6/1/2025, 3:32:25 PM