霧夜

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一人ポツリと、海の縁に佇む。

あの子が消えて、ちょうど一年

今までずっと我慢してきたけれど、心の中は埋まる事がなくて

もう、我慢の限界で。

...あぁ、待っててね

私も、直ぐに"そちら"に逝くから

---二作目---

少し前まで、一人でいることに何の苦も感じることなんてなかった。
寧ろ、一人でいる方が気楽で、居心地が良かった。...はずなのに。

今は、一人でいる事がこんなにも辛い。
あるハズのピースが、一つだけ欠けているような、そんな気持ちになるのだ。
そうなってしまうと、もう玲夜の事で頭がいっぱいになって
「玲夜に会いたい」「今どうしてるのかな」「他の人と話してるのかな」
「俺と話して欲しい」「お茶したい」「傍にいて欲しい」
...そんな欲求に埋め尽くされてしまう。
こんな、独占欲にも近い気持ち、迷惑になると分かっているのに。
こんなどうしようもない俺を、あいつは許してくれるだろうか...

...あぁ、玲夜に会いたいなぁ...

#寂しさ
154作目


「......」
「...藍登、どうしたんだ?珍しく抱きついて来て...」
「...わ、わりぃかよ...抱きついちゃ...」
「フッ、そんな事はねぇよ。寧ろお前から来てくれて嬉しい」
「...玲夜こそ...珍しく言うじゃねぇか///」
「お前が素直になってくれたからな。俺も言葉に出した方がいいと思っただけだ」
「//////」
「真っ赤だな、可愛いぞ」
「うるせぇ...///」
「ふはッ」

12/19/2023, 11:05:19 AM