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I LOVE...


本のページをめくったそのとき、間に挟まっていたのだろうと思われる紙がひらひらと落ちた。
図書館の本に紙を挟むのなら、栞代わりか何かだろう、そう思って拾い上げれば、そこには『I LOVE...』と書かれていた。
とても綺麗な字で書かれているのに、紙はノートの端を破ったのか、かなり歪だった。
LOVEの後に続く文字は何だったのだろう。やっぱり、Youだろうか。それともこの本のことを言っているのか。なんとなく気になって、その紙が挟まっていたページを読んでみるが、LOVEや愛している、の類いの言葉はなく、わからずじまいだった。
少しだけもやもやしながら、その紙を元あったページへと挟む。何が、とか誰が、とかその紙に書き足して、答えを聞いてみたい気もしたが、あえてそれをせずに本を読み終えて、元あった棚へと戻す。
次読む誰かのために、その続きの言葉を想像するのもきっと面白いだろうから、なんて。
そう思いながら、誰かに届くはずの愛を、届くべき人に届きますように、そう願った。

1/29/2023, 2:04:52 PM