美しいなんて感情は、いつだって上辺だけだ。
水田に映る淡い藍色の朝焼けも。
太陽の輝きを跳ね返す鮮やかな向日葵も。
窓辺で珈琲の湯気を眺めながら聴く雨音も。
美しいなんて思うには、当たり前すぎる。本当はそんなこと思っていなくたって言える。適当に言っても誰かが共感してくれる。
そんなものより、
ペットボトルから口を離した時の濡れた唇。
こめかみから伝った汗が落ちていく首筋。
ズボンを捲って日焼け止めを塗る露出した太腿。
夏にしか見られない、好きなあの子の一部分が。
何よりも美しく
間違いなく美しい。
#美しい
6/11/2025, 4:32:19 AM