ひろ

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moonlight

「今宵は、これを肴に、日本酒で…」

部屋の横にはベランダがある。
フードで囲まれて、夏でも冬でも外の景色が見られる。
夏は、冷酒で、冬は熱燗で、タバコに火をつけ、キャンプ用の椅子に座り、煙をたたせながら、明日に向かって一杯かたむける。

今日は、熱燗かな

お酒の分だけ、人生を考える。これからの事だ。自分がこれからやれる事はあるのか?やりたい事は何か?
僕は、変わったら家族を守れるのか?変えられるのか?

銚子から漂うお酒の匂いが、今の時間を止めてくれる。

1つ考えるたびに一杯、また一杯。

一人の時間とは、孤独だが、良いものだ。
心に向き合い、自分に向き合い、未来に向き合う。

「そういえば、酒の肴がないなぁ」

でもお猪口から手が離せない。

今日の月は、格別に綺麗だ。
街並みの風景に溶け込む月は、なんと寂しく、愛おしいのか。

「今宵は、これを酒の肴に…」

明日からまた、仕事だ。自分に問いかけてる答えは、いつまでも出ないだろう。

人生に悩む自分に、酔ってるのか?

月明かりが、この暗闇の中で、自分だけを照らしている。


変えられない、明日という名の  「舞台」の始まりだ。

10/5/2025, 10:53:27 AM