とある恋人たちの日常。

Open App

 
 今年のクリスマスプレゼント、どうしようかな。
 アクセサリーは付けるタイプじゃないし。
 
 私は左手を開くと薬指の指輪が輝いていた。
 彼がこだわって選んでくれた、アイスブルーダイヤモンドがはまった指輪。
 
 大切な約束の指輪。
 これをくれた意味を思うと胸が熱くなってくる。
 
 同じくらいのものを贈りたい気持ちはあるけれど、それより彼らしいものを贈りたいな。
 
 そんなことを考えながらショーウィンドウを見ていると目を引く腕時計があった。
 
 値札のゼロの多さにびっくりはしたけれど、彼がくれた指輪を思うと気にしていられなかった。
 
 時計屋さんに入って目を引いた腕時計を見せてもらう。
 
 シンプルだけれど洗練された文字盤。
 革のベルトも格好いいと思うけど、金属のもいいな。
 
 日常生活強化防水と聞いて、これなら彼の仕事の邪魔にもならないかな。
 
 そして店員さんから〝時計を渡す意味〟を教えてもらった瞬間、私はこの時計に決めた。
 
 私は彼からこの指輪をもらった。
 それにどんな想いが込められているか知ってる。
 
 だから私はこの腕時計をプレゼントに選んだ。
 
 あなたの時間を私にください。
 
 そんな気持ちを込めて。
 
 
 
おわり
 
 
 
五六五、贈り物の中身
 
 
 

12/2/2025, 1:50:42 PM