Rutu

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快晴。そう、今は君がいるだけで快晴なんだ。


「あ〜!!たかがTSマークで?なんで承諾得られないんだよぉ!…もう、ヤダ。」

そんな事をつぶやく私の近くを君は通り抜けて行った。あぁ、君はもう私のクラスにはいないんだった。君に話したいのに…君に話しかけられない。誰がこんな悪魔みたいなイタズラを?少し胸の奥が苦しい気がして息が詰まるんだ。私が何度君を呼ぼうとしても

「…あ。き…みぃ」

「…ねぇ」

「…ぁ。」

「……」

君は振り返らない。私に関わりたくない…のかな。

ところが、そうではなかったらしい。委員会組織会でのことだった。君は私に予定表の紙を渡してきた。

「話早すぎてどこに何書けばいいのかわからん」

「私が書いてあげよっか?」

「頼む」

斜めの席のくせにコソコソと話す私たち。私は君の予定表の書き直しや付け足しをした。もちろん、それで終われるはずはない。今までの寂しさを君の予定表に全部ぶつけた。というのも、落書きをしただけなんだけれど。君は私の様子を察して手を振ったり小さな声をかけたり…でも私は止めなかった。

ー🐼あげたキーホルダー、大事にしてね(笑)🐼ー

最後に書き残して君に渡した。

「…うっせー」

君らしい。とても愉快だ。私の心は今、快晴なんだ。組織会が終わると君は私の席に来るんだ。

「…全部お前のせいだ。お前が学年委員やろうって…言うから」

「私のせい?無理に…とは言ってないし、そもそも君だけに言った訳じゃないし。」

クスクス笑う私に友達が加わって

「これから部活で一緒に帰れないから、お前、送ってけよ!ちゃんとこの子と一緒に帰ってね^-^」

ということで私たちは一緒に帰ったんだ。君は最後に

「全部お前のせいだ。ばぁーか」

と一言。

ー君だって…よっぽどバカじゃないか…ー

4/13/2023, 11:21:59 AM