手をかけた。
今日で終わるこの仕草に、人は悲しみを覚えるのだろうか。
…人じゃない私には分からないけれど。
悲しみを覚えるように願いながら、途中で最後の日付をめくる。
昨日、遂に訪れた。
世界の転換期。
一番にあの子が消えたのだから、次は――
カレンダーを置いた。
最初で最後の祈りを捧げるため、私は家を後にする。
いずれ風化するであろう家を後にした。
そして私は
手をかけた。
不思議と息苦しさはなかった。
だって私は
人じゃなかったから。
カレンダーのように、
消耗品だから。
9/12/2024, 3:13:59 AM