「男女の友情は成立すると思う?」
「いや、するでしょ」
HRが終わった放課後。日直の仕事を終えた私達は家に帰る為、支度を進める。教室は真っ赤な夕日に染まり、外からはカァカァとカラスの鳴き声が聞こえていた。
「というか、いきなり急だね」
どうしたの?私は聞き返す。当の質問をした彼は同じ日直だったにも関わらず、既に帰り支度を済ませていて、私を待っているのか机に座ってぶらぶらと足を揺らしていた。
「うーん。なんとなく?ほら、よく言うじゃん。男女の友情は成立しないって」
「確かに言うね。でも、成立するよ」
確信を持って言える。私のはっきりとした物言いに彼は少し驚いた表情を見せ、どうしてと聞き返した。
「だって、私達がそれを証明してる。」
そう、私達は同じ日直であると同時に小学生から10年の付き合いがある友人だ。勿論学校も一緒だし、遊ぶ時も一緒。笑う時も泣く時も一緒。でも決して恋人にはならない関係。
「私たちのことを友情と呼ばずになんて呼ぶのさ」
私の問いに彼は言葉の代わりにキスで返事をした。
「僕は友情で終わらせる気、無いんですけど?」
あれ?
7/24/2023, 2:22:09 PM