堕なの。

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◤火を灯した◢

私の親友の心に宿るのは業火だ。絶対にやり遂げると誓った使命感がずっと燃え盛り続けている。自分とは違うと、常に思わされている。

「そんなことないよ」

そんな一言が私の心を抉ることなど、ずっと知らないままなのだろう。優しくて、鈍感で、人を意の外で傷つけて、その度に直ぐに謝れる彼女は多分一生気づかない。私みたいな、隠すことが得意な人間は、傷ついたことをアピールしないから。

でも、なんでそれでもそばに居るかって。彼女が傷つけていることを認識しないまま、その傷ついた心を救ってしまっているからに他ならない。ほら今だって。

「業火っていうのは分かんないけど。冷ちゃんにだって火は灯ってるよ。キャンドルみたいな小さな火かもしれない。それでも優しくて温かくて思いやりに溢れた火だよ」

だから彼女の傍から離れられない。


テーマ:キャンドル

11/20/2023, 7:40:10 AM