M.I.

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No.257『あの日の温もり』

小さい頃、迷子になったことがある。
家族とはぐれてどうしていいかも分からず、その場に座り込んで泣いていた。
周りの人は私を見て目を逸らして声をかけてくれる人はいなかった。
「大丈夫?」
その時、優しい声が聞こえた。
顔を上げれば制服を着たお姉さんがいた。
ひとりぼっちの中で声をかけてもらえたことに安心したからか、お姉さんの質問には答えられずただ泣き続けた。
お姉さんは困惑しながらも背中を優しくさすってくれた。
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私はあの日の温もりを忘れられない。
だから今度は私が温もりを与えたいと思った。
目の前で泣く小さい子の目線に合わせるために腰を落とす。
「大丈夫?」
この勇気をくれたあのお姉さんにありがとうと言いたくなった。

3/1/2025, 9:37:03 AM