もし朝が来るのなら

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公園にぽつんと、女の子がひとり。
揺れるブランコに座って、あやとりをしている。
そこに、一人の男の子がやってきた。

「ねぇねぇ、なにしてるの?」
「わたしね、あやとりしてるの」
「あやとりで、なにつくってるの?」
「ひみつ!」

5時を過ぎた夕焼けが、ほんのりと赤い糸を照らす。糸の色と空の色が同化して、あやとりはほとんど見えない。
それでも、男の子は熱心にそれを見ている。

いや、あやとりを見ているんじゃない。女の子の手にある、『赤い糸』を見ていた。

その糸は、その時はまだ、彼女の手の中にあった。

6/30/2024, 11:27:31 AM