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タイムマシーンがあったら、どっちに行く? 過去と未来
んー、未来かな。
どうして未来? 過去の方がよくない?
未来に行って、これからどうなるか教えてもらうの。失敗したこととか後悔してることとか。で、そうならないようにする。
ふーん、そんなんでいいの?
なにその反応。もしかして宝くじ当てようとか考えてる?
考えてるよ。だってそしたらずっと遊んで暮らせるじゃん。そのほうがいいでしょ。
不純だなー。知ってる? タイムマシーンがいちばん最初に登場した小説、いや作ったって設定のひとはね、恋人が死ぬ運命を改変したくてタイムマシーンを作ったんだよ。
うん。で?
だからーそんな宝くじ当てたいみたいな欲望のために使っちゃいけませんって話。
なにそれ、どう違うのかよく分かんないんだけど。
西陽が教室に差し込んでいた。
スカートの厚い生地を通して伝わる机の冷たさ。椅子に座る友人を見つめながら、わたしたちは他愛もない会話をしていた。
ほんとうに何度も繰り返した日常。ありふれた記憶。でもこの日だけは思い出すたびに泣きそうになるの。
タイムマシーンがあるのなら、わたしはこの日に帰りたい。
そして同じ会話をして、笑いながら教室を出て、夜になる前の時間を駅までふたりで歩く。
この日に帰りたい。

1/22/2026, 3:59:57 PM