あれはまだ桜が満開に咲いていた春。
暖かな日差しから、心も体も癒される。
そんなある日のこと。
俺は君に出会った。
長い黒髪を風に揺らし、ピンクのカーディガンが似合っていた。
「あ、あの」
話しかける俺に微笑むだけで何も言わない。
クールで、優しいそんな人だと思った。
毎日毎日、君に会っては話しかける。それでも振り向かない君に淡い恋心を抱いてしまった。
"好き"そう伝えるには勇気がなくて、名前を呼ぶにも知らない。
ただ微笑み、去っていく。
いつからか俺は、君の後を追いストーカーのようになってしまった。
君の後をつけ、家を特定。君が毎日着る服を特定、お風呂やトイレの回数まで知っているよ。
笑いが込み上げて込み上げて仕方がない。
だって今日は彼女が僕のものになる日だから…
桜が散る頃。
それは彼女と出会ったキレイな思い出が 、桜とともに散り、来年また桜が満開になったら結婚…
だからね。
4/17/2024, 12:20:02 PM