眠れない夜。朝方も近い頃。
厚手のカーディガンを羽織って、ベランダで煙草をふかす。
澄んだ空気が心を沈ませる。
空の星は見えず、ぽつぽつと街灯や家の灯りが薄暗い街に浮かんでいた。
ふー、と煙を吐き出す。白っぽい蒸気が空気と混じり合ってる消えるのを見つめ、再び階下の街に視線を戻す。
足元に広がる街の向こうのそのまた向こう。なんなら、海の向こう。
ふと、知っている人が誰もいない、見たことの無い場所に行ってしまいたい衝動に襲われる。
そこでなら、こんな憂鬱な気分も消えるのだろうか。
『遠くの街』
2/28/2026, 4:51:21 PM