【追い風】
君の背中が好きだった。
沢山のものを背負いながらも、凛とした姿で立ち続ける君の後ろ姿と、その強い心が見える背中が好きだった。
決して背を丸めず、いつでも背筋を伸ばして逆境の中を歩み続ける君が好きだった。
いや、今でも好きだよ。
でも、私は君に向けられる言葉の刃を防ぐことは出来ない。
血だらけの背中を隠して笑う君に、私は何もしてあげられない。
「信じてる」「大丈夫」「信じて」「いつだって味方だよ」
そんな言葉を君の背に向けて掛けたことは何度だってある。
届くと信じて。
君にとって、背を押す追い風になれるように。
君を抱きしめるように優しい言葉を何度だってかけた。
届いて欲しい。
そう願って、今日も君の背中を追っている。
2/9/2025, 10:13:18 AM