小絲さなこ

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「カーテンから漏れる光のなかで」



ふと目が覚めて、彼女が隣にいることを確認していたら、すっかり目が冴えてしまった。

アラームが鳴るまで二十三分。
今、二度寝したら寝坊してしまうだろうから、丁度いい。


つい数日前までは、ひとりで眠っていた部屋に彼女がいる。
そして、これからもずっと。


子供の頃は当たり前だったことが、当たり前ではなくなって、そのことによって自分の気持ちに気がついた。
だから、あの日々は意味があったのだと今なら言える。
それでも当時はそんなこと思えなかったし、泣かしたことも、泣きそうなほど辛かったこともあった。



カーテンの隙間から漏れる光。
少しずつ明るくなっていく部屋。
身動ぎする彼女を抱きしめる。

「これからは、ずっと一緒だ」

そう呟いて彼女の額に唇を寄せた。
たぶん、明日も明後日も、この喜びを噛み締めるのだろう。



────きっと明日も

10/1/2024, 3:03:36 AM