生きてる間に出会える相手なんて、ほんのひと握りなのに。そのうちのひとりに過ぎない相手にここまで振り回されて、馬鹿みたい。目を閉じていても、髪に近づく気配がわかる。想像以上の優しさで、頭をそっと撫でられる。もしも過去へと行けるなら、あんたなんかやめとけって、絶対自分に言うんだから。髪を撫でる手が困ったように一瞬止まり、それからそっと頬を拭った。『もしも過去へと行けるなら』
7/25/2025, 9:47:52 AM