「勝ち負けなんて」
「「付き合ってください!!!」」
同時にそう叫んで手を差し出した。
俺と親友のあいつは同じ子を好きになってしまった。
勝敗は五分五分…のはず!
心臓の音で周りの音が何にも聞こえない。
「…ごめんなさいっ!」
結果は、残酷にも2人とも敗北だった。
帰り道、2人で公園に寄って、黄昏ていると「ちょっと待ってろ」といって親友はどこかへ行った。
「…ほい、今日は飲もうぜ。」
戻ってくると、缶コーラを俺に手渡した。
「おぅ、ありがとう。」
「勝ち負けなんて、関係ねぇ。お互いよくやったよ。今日は飲んで忘れようぜ!」
親友は俺の肩を抱いて夕日を見上げて1粒の涙を流した。
中学生にしては貫禄のありすぎる親友の姿に思わず吹き出した。
5/31/2025, 10:49:45 AM