あやさか

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―鏡の中の自分―

あぁ、自分の顔を見るとため息がつく。
とても醜い顔だ…
私は、この顔が嫌いだ。
毎日、顔を洗いに洗面台に行くと
でかい鏡があり、いつも私の顔を映す
(この鏡大っきらい)心の中で思いながらも
顔を洗い続ける。顔を拭き、鏡を見ると…
あぁ、こんな顔…誰も好きになってくれる
はずなんてない。
あのときは、ずっと思っていた。
ある日、学校帰り。
いつものように上靴を脱ぎ、靴に履き替え
帰ろうとした瞬間、腕を誰かに掴まれた。
「え、」急に誰かに手を掴まれ、私は
固まる。「あの…っ」と聞いたことのあるような声だった。私は、振り向くと
なんと、好きな人だった。
私は、好きな人だと気づき、顔が赤くなる
背中が熱い…ごめんと、優しく声をかけてくれる。彼の声はなんか落ち着く。
「あの、話があって…ちょっといい?」
「あ、うん。」木の下、風が吹く。
チャイムが鳴り
「あの、俺ずっと―」瞬時に風が強くなる。
木の下、葉っぱが舞い上がる。
「好きでした…あなたのことが!」
その言葉を聞いた瞬間、涙が止まらなくなった。初めてだった。こんな顔でも好きになってくれる人がここにいたなんて、この言葉を聞く前の私はこの言葉を聞いたら、どうなるのだろうか。
そう思いながら、今日も彼と一緒に―
私の鏡の中は、今日も笑ってる。



11/4/2023, 5:35:10 AM