夢見る心
「空からお金が降ってくればいいのにね〜!」
「は?そんなことあるわけないじゃん。馬鹿なん?笑」
私は絶対に共感してくれるだろうと思っていた
でも、相手の返答は思った以上に冷たかった
「何その言い方!そんな言い方じゃなくても…!」
無意識に反論していた
沈黙になるのが嫌だったから冗談を言っただけなのに
ありえないことは勿論、分かってる
心で思うくらいいいじゃない
だからって正論で返してこないでよ
「ただ本当のこと言っただけなんだけど?」
真顔で言う姿を見て、私の中のナニカが切れた
「あのねぇ、女性脳は男性脳と作りが違うの、
女は共感してもらえるだけでも嬉しいの!そっちの意見なんて別に求めてないし」
「あーあ、ついに本音がでたね笑
俺の意見なんて所詮どうでもいいんでしょ、
だったら一緒にいる意味なくない?
そんなに共感してもらいたいなら、女同士で喋れば?」
悔しいが、言い訳できなかった
ちょっとした冗談がこんなことになるなんて…
だが、ひとつだけ、間違いなく決断できたことがあった
「もういい、別れましょう」
「自分が感情に任せてぎゃあぎゃあ喚いてるだけなのに俺のせいにしようってんだ。卑怯だねぇ」
確かにそうだ
怒りというコントロールできない感情に任せて
言う必要のないことも沢山言ってしまった
だが、メリットもあった
彼が今まで猫を被って“いい人”を演じていたことを
見抜けたのだ
「あなたがこんなに酷い人だなんて、
知らなかった。さようなら」
「はいはい、まったくどうして__…」
それ以上、彼の声を聞きたくなかったので
早足で店から出た
心の中に秘めておいたほうがいいことも、
口に出したほうがいいこともある
そう実感した
4/16/2024, 10:44:34 AM