『叶わぬ夢』
「お疲れ様。今日も頑張ってたね。」
「先輩お疲れ様です!これくらい全然ですよ!もっと頑張らないと!」
「熱心だね。応援してる。」
男女の仲睦まじい景色。先輩と後輩のザ・青春な世界に思わず羨ましいと感じてしまう。
私もあんなふうに青春を謳歌したい。
...私には叶わない夢だ。
「あ、お疲れ!今日も大変だったね〜。」
私を見つけて飛んでくる。犬みたいで可愛い。
「はいはいお疲れ。私汗臭いからそんな引っ付かないで。」
そんなことないよ〜と顔を擦るように私に引っ付く。
やれやれと思いつつ満更でもないこの感情に任せて頭を撫でる。
しっぽがあったらちぎれんばかりに振っているくらいに喜ぶ。
「青春だなー。」
「うん?どうしたの?」
「いや、別に。」
本当は君みたいに甘い恋が出来たらよかったのにな。
女同士だなんて言えば君はきっと離れていく。
だから、だから...
こんな風にずっと引っ付いてね。
君の頭をまた撫でる。
君はふにゃっとした笑顔で私を見つめた。
語り部シルヴァ
3/17/2025, 10:11:40 AM