さゆ

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深まる秋の夕暮れ、かのひとの力なく肩を落として歩く姿は哀愁を誘うものだった。そんなものを見ていたくなくて自分は駆け出した。あの背中に手を遣って顔を上げさせていつもどおり軽口を叩いて、そうすれば少しだけでも元気になってくれるはずだ。足音が重なって伸びる影が並んだ。

「哀愁を誘う」24.11.4

11/4/2024, 1:18:00 PM