ようやっと秋がきた。暑がりで寒がりという我儘な体質には有難い季節だ。
頭痛を引き起こす陽光は謙虚になり、肌寒さを免罪符に全身を覆い隠すことができるこの時期が一番好ましいとしみじみ感じる。金木犀の香りだってそうだ。
気が付けば現れ、気が付けば消える。こう考えると秋と金木犀は一蓮托生なのかも知れない。
ずっと続けば良いと平々凡々な願望を持つが、我々には慣れというものがある。秋独特の暗さも温度も、金木犀のあの甘い香りも慣れて何も感じなくなる未来が訪れてしまうのなら、今のままで良いのだろうか。
少しばかり悩んだ後、改めて思った。
夏や冬の苦しみが無くなるのなら秋に慣れて何も思わなくなっても構わないか、と。
9/26/2024, 12:06:33 PM