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″ココロオドル″

昔昔、あるところに一人の男がいました。
その男は大層暴力的で、しかしただの馬鹿ではありませんでした。
男は人を殺してみたかったが、あいにく人殺しはご法度。しかしどうしても殺してみたい。
何とかならないものかと日々頭を悩ませていると、男のもとに手紙が届いた。

【○○という地域では化け物退治が行われている。化け物に立ち向かう勇気あるものは来られたし。】

天啓だと思った。
男は急いでその地域に赴き、化け物退治のための兵の1人となった。
もちろん、比較的平和な世で、その場に集まった誰も戦ったことがないので訓練が行われる。
しかし、その訓練が少しおかしかった。

「なぁお前さん、俺たちは化け物退治に集められたんだよな?だというのにどうして来る日も来る日も人殺しの練習をさせられるんだい?」

男は兵の隊長に尋ねた。自分としては楽しいが、他の奴らにはちと厳しいのではないかと思ったのだ。
すると隊長はひどく可笑しそうに笑いながら答えた。

「お前、俺たちが本気で化け物退治のためだけに他所から人を集めたと思っていたのかい?」

10/9/2024, 1:55:36 PM