最近は寒いので、ほぼ毎日浴槽に湯を張る。
湯を張った浴槽に入ったとき、身体が冷えていて、温度が熱く感じるため、ゆっくり足から入る。
心臓よりも少し下あたりまで湯に浸かったとき、全身が温まる瞬間が訪れる。
その瞬間、時間がゆっくりと進んでいるような気がする。
自分の身体の半分以上を占めている水分と、身体の外にある水分が、“共鳴“して、自分と世界の境界線が消えかけているような感覚を憶え、しばらくするとまた境界線が引かれ直される。
境界線が引かれ直されたあと、この世界の素晴らしさや厳しさ、喜びや悲しみについて思いを巡らせる。
巡らせた思いの内容は毎日異なるが、浴槽を出るときには毎日必ず同じ終着点に辿り着く。
「嗚呼、なにはともあれ今日もいい湯だった。」
________嗚呼___________________________________。
3/9/2025, 3:18:11 PM