曖昧よもぎ(あまいよもぎ)

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いつも通る帰り道の、謎の分岐路の反対側を行くこと。

いつもなら買わない、高いチョコレートを買うこと。

子供の頃好きだった本を、もう一度読んでみること。

よく見る花の名前を知ること。

目を閉じて、周りの音を聴いてみること。

いつも通り過ぎている、おしゃれな服屋に入ること。

まだあまり仲良くない後ろの席の人に、話しかけてみること。

大雨の中で外に出て、びしょ濡れになること。

いつまでもあって欲しいと思うケーキ屋を見つけること。

なんとなく、母校を訪ねること。

布団の上に大の字になって、天井を見つめながら妄想すること。



それら全てが冒険であり、偉大なる冒険の一歩目である。


九作目「冒険」
子供の頃、児童小説をよく読んでいた。幼い曖昧にとって、それは冒険とも言えるほど、没頭できる美しい世界であったのです。『アルセーヌ・ルパン』シリーズがいちばんすき。小児陶酔する程の美青年。

7/10/2025, 11:31:01 AM