モブ

Open App

『天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したい事は、』

「今日は雨だってニュースで言っててさぁ……?」
帰り途中での雨宿り
隣で透けた肩をハンカチで拭う君の言葉を遮った
自分から切った流れなのに上手くその先の言葉が出てこない

別に今日伝える予定じゃなかった
ただ、空を見上げる君の横顔があまりに綺麗で
透けた肩が艶めかしくて、君ばかりキラキラして見えて
つい、言葉が出てしまった

「つまり、その…僕が言いたいのは…」
ああ、顔が熱い…今すぐ逃げてしまいたい
「僕はその、君の事が、すっすぅ「私もすき…」
勢いよく顔を上げた、その時初めて君と目が合う
「私も、あなたの事が好きだよ」
意気地無しの僕を君はそう言って微笑んだ

このまま…雨がやまなければいいのに…

5/31/2022, 2:19:44 PM